JAED

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会長就任にあたってのご挨拶と所信表明

 日本高等教育開発協会(JAED)は2009年に、川島啓二元会長、加藤かおり理事、そして私の3名が発起人となり発足しました。2009年は、大学設置基準の改正によりFD義務化が実施された翌年にあたります。当時、私たちはJAEDの設立にあたって、以下のような理念と目的を考えました。

「日本高等教育開発協会は、高等教育開発者同士の連帯を図りつつ、
高等教育開発に関する活動を実践することを通して、日本の高等教育機関の教育と学習の質の向上に貢献することを理念としています。あわせて高等教育開発者としての実践の質を高め、学術研究に裏付けられた専門性を向上させる場となることを目的とします。」

 あれから9年の歳月が流れました。発足時の会員は、当時大学教育開発センターの中堅・若手スタッフと言われていましたが、それぞれベテラン・中堅となりました。この間、日本の大学のFDはどれだけ拡充・深化したでしょうか。各大学でFDを主に担う役割を任せられている私たちはどれだけ大学の教育と学習の質上に貢献し、実践の質を高め、専門性を向上させることができたでしょうか。確かに、ミクロレベルに特化されていたFDは、ミドルレベル、マクロレベルまで拡張してきました。また、FDに関する事例や研究成果も増えました。さらに、FDに関わる教員の数は増え、職員、学生、NPO職員、企業・法人社員といった新たなアクターもFD活動に参画するようになってきました。しかしながら、歴史や諸外国の現状と比較しても、まだまだ解決すべき課題が残されているように思います。

 会長就任にあたって私は、川島元会長、沖前会長が紡いできた歴史を引き継ぐと同時に、JAEDそして日本の大学の教育改革を次のステージに進めるための刷新の年にしたいと思います。詳細は理事会で検討していきますが、以下の4つの方針のもとで、会の活動を進めます。

1.会員の量的・質的拡大
 日本の大学のFDの拡充・深化を加速するためには、FDに関与するアクターを増やす必要があります。これまでどおり、FDに関わる専門性や経歴を尊重しつつも、より多様な背景を持つ会員を増やしていきます。大学教育改革において貢献度の高い教職員、教育学や心理学といった伝統的な専門分野以外の専門を持つ教員、教務関係職員にも、会員になってもらえるよう積極的にアプローチします。また関心を持つ大学院生やNPO・企業関係者との交流機会の設定も検討します。他の学協会との連携も検討します。

2.互恵的なコミュニティづくり
 量的・質的拡大は、時に専門性を薄めることもあります。しかし、実のある対話を行うことができれば専門性を深めるのに有益な機会となるでしょう。教員や学生の教育・学習を支援し、コミュニティづくりを支援する私たちこそ、忌憚なく相互批評ができ、かつ互恵的なコミュニティづくりを作る必要があると考えます。会員が全国に分散していたり、多忙であることから、一堂に会する機会を作るのが年々困難になっていますが、総会・全体研究会や地域研究会など対面で対話する機会を継続して設定していきます。また、オンラインの活用により、諸事情で研究会に参加できない会員のアクセス向上を図ります。そのような場を、苦労や喜びの共有とともに、モチベーションの喚起、実践や研究のアイデア獲得ならびに協働、そして教育開発という業務が本来備えているワクワク感を体感できる場にします。専門職団体においては、会員が会に対して何を貢献できるかを思考し、行動することが求められます。義務からではなく自然とそのようなことが起きるコミュニティを目指します。

3.国際的なネットワーク構築
JAEDはICED(国際教育開発コンソーシアム)の加盟団体です。私は昨年、ICED副会長に就任しました。この立場を活かして、諸外国とりわけアジア圏の同様の団体との交流を進めます。中国、香港、シンガポール、タイのキーパーソンとは関係ができていますが、継続して交流を重ね、そのネットワークを強固なものにしていきます。

4.社会への情報発信の強化
FD義務化からほぼ10年が経ち、私たちはこれから10年の大学・大学教員・FDを予測しながら活動していくことになります。日本の大学のFDをリードする指針となる提言を策定し、社会に発信をします。また、国内外におけるFDの事例や成果についてもこれまで以上に積極的に発信していきます。

これらの方針のもと、JAEDに所属していることが会員の安心、自信、勇気に繋がるような貢献したいと思います。
当然ながら会員の皆さまのご協力が欠かせません。どうぞ2年間よろしくお願いいたします。

 

2018年4月21日

日本高等教育開発協会
会長 佐藤浩章